ひょっとしたら、ひょっとする

にわかおたくの戯言です

溢れる本棚、父への信仰心

 本棚の整理をした。

 前々から、買ったはいいが「後で読もう」という気持ちが勝って、読まずに積読化された本たちによって圧迫されつつあった本棚は、いよいよ新しく買った本を入れるスペースがなくなった。買った当初は「たくさん本や漫画を入れることができる!」と思っていたのにどうして…。
 以下はその中で「今後もきっと読まないだろうに、何故本棚にあるのか」とか「そういや買ったわ」と本人ですら存在を忘れていた本たちのリストである。
 本棚の持ち主である私はドがつくファザコンである。ファザコンと言っても、「お父さんのお嫁さんになる♡」ではなく、「父の言うことに間違いはない!Yes父!」と信仰心が強いものだ。そんな父は無類の読書好きである。そのため本棚には父から借りっぱなしのものや、学生時代から今にかけて私がいかに父に近づきたかったのかが手にとってわかるものが多かった。
 
「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」
 「幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ」(岸見一郎 古賀史健/ダイヤモンド社)
 一発目から父から借りパ…借りた本だ。借りっぱなしのまま読んでいない。
 「アドラー心理学」がメンタルにいいと知り、父に「なんかいい本ないっすかね」と聞いたところ、渡されたのがこの二冊だ。重要だと感じたところにマーカーで線が引かれているのがいかにも父らしい。
 
「本は読んだらすぐアウトプットする!」(齋藤孝/興陽館)
 これは父の本棚から長弟が取り出し、それをさらに「なんか面白い本ない?」と遊びに来ていた私に渡してくれたものだ。借りてから一ページも読んでいない。
 
「めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ZAIが作った株入門」(ダイヤモンド・ザイ編集部)
 続・父の本棚から長弟を経由して貸してもらったものである。長弟からは「これからは株だ!」と渡してもらったけど、円高・円安の違いもいまひとつ理解していない私が読めると思ったんだろうか。
 
「自分を変える習慣力」(三浦将/クロスメディア・パブリッシング)
 さらに続・父の本棚から長弟経由で以下略。これを読めば何事にも三日坊主で終わらずに取り組むことができるかしら(読んでいないの意)
 
「城を攻める 城を守る」(伊藤潤/講談社現代新書)
 「面白かったから八木ちゃんもぜひ」と父から直接貸してもらったものだ。私も歴史好きだからと好意で貸してくれたのに間違いはないが、悲しいかな、未だに読めていない。観光でお城を訪れることはあるけれど、石垣すご〜い!程度で終わる自称歴史好きですこんにちは。
 
「物語 ドイツの歴史 ドイツ的とは何か」(阿部謹也/中公新書)
 中二病を拗らせたままなので(継続中?)WW2前後のドイツ国内や、スツーカに乗って敵艦隊を倒しに倒しまくった某将校に興味があるのだが、過激派と見られたくなくて「ドイツに興味があります」と伝えたところ、父が送ってくれたものだ。古代からのドイツを知ることができる、らしい。読もう読もうと思いつつ、文中のカタカナの多さが大きな壁となっている。(5文字以上のカタカナ固有名詞を覚えるのが大の苦手なのだ)
 
山県有朋と明治国家」(井上寿一/NHKブックス)
 「山県有朋に興味があります」という娘の言葉を、こちらもそのまま受け取った父が以下略。明治・大正と政界の頂点に君臨し続けた山県はかなり長生きをしたが、栞が挟まっていたページを見ると作中の山県くんはまだ40代も半ばだった。先は長いなぁ。
 
「教育として学んでおきたい5大宗教」(中村圭志/マイナビ新書)
 「とある魔術の禁書目録」で中学時代を過ごしたので(ので?)宗教の世界に興味がある。本屋で表紙買いをしたが買って満足したままだ。中学生の頃、魔術はあるもんだと思っていた。純粋だね、可愛いね(棒)
 
「実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた」(橋下徹/PHP新書)
 「異端のすすめ 強みを武器にする生き方」(橋下徹/SB新書)
 賛否両論あるだろうが、橋下さんのズバズバ言い切る姿勢が私は好きだ。こちらも買って満足してしまった本たちである。父には「こんな本を買いました!」と伝えたところ「のめり込み過ぎないように」と言われた。
 
「京都ぎらい」(井上章一/朝日新書)
 完全にパケ買いだ。今も昔も京都が好きで、京都に住みたいと思い続けて10年弱。外から見た時と中から見た時とのギャップに苦労しないように早く読め(自戒)
 
「忍びの滋賀 いつも京都の日陰で」(姫野カオルコ/小学館新書)
 こちらもパケ買い。母方の実家が滋賀県にあるので、滋賀にも愛着がある。琵琶湖には数回しか行ったことないけど…、未だにひこにゃんに会ったことはないけど…。私はゲジゲジナンバー可愛くて好きです。
 
「鳥居民評論集 昭和史を読み解く」(鳥居民/草思社文庫)
 父のライフワークの一つに「昭和史」があるらしい。昭和史がライフワーク…?
 こちらも完全にパケというか、タイトルだけ見て購入した。これを読んだら父に近づけるかも!という、なんと純粋で無垢な可愛らしい娘心なんだろう!(読めていません)
 
蜘蛛の糸地獄変」(芥川龍之介/角川文庫)
 突然の芥川龍之介
 Q.なんで買ったの? A.角川文庫版のカバーが可愛いからです。
 唐突に芥川はじめ文豪と呼ばれる人たちの作品が読みたい時期がくる。高校の現代文の授業で「蜘蛛の糸」を読んだ時は「えっここで終わり!?」と結末に対してモヤっとしたが今読んだらどうなるんだろう。多分深く読み込むことができないので同じ感想を抱くことでしょう。
 
「日本の軍閥」(倉山満×杉田水脈/青林堂)
 軍閥!戦前から戦中にかけての日本国軍の軍閥って仄暗い印象があって惹かれる。(過激派ではないです)「軍閥」というワードに惹かれて購入したけれど、対談者の名前を見て後悔した。買ってから気づくってある?S田さんのパフォーマンスはあまり好きではないけれど、軍閥…揺れ動くまま依然として読めていない。
 
「古都再見」(葉室麟/新潮文庫)
 父に小説を勧められた(まだ読んでいません)ことで葉室麟さんの存在を知った。葉室さんが晩年を過ごした京都で綴ったエッセイ集だ。
 父が勧めてくれた作家さん × 舞台が京都 = きっと好き! と購入した。好きなのにどうして読めていないんだろう。不思議ですね。
 
「最後の秘境 東京藝大 ー天才たちのカオスな日常ー」(二宮敦人/新潮文庫)
 こちらも完全にパケ&あらすじ買い。父は(ここにも登場する?!)様々なジャンルの本を読む。私も知らない世界を知りたいなと思っていた矢先出会ったので購入した。絶対面白いんだよ、読めよ…。
 
「皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上下」(塩野七生/新潮文庫)
 まだ私が純粋で無垢で愛らしかった時代(幼稚園から小学校低学年と想定してください)、塩野七生さんの「ローマ人の物語」シリーズ。は父の本棚にきれいに整頓されていたのを覚えている。何度も勧めてもらったにも関わらず、難しいと壁を感じて手を伸ばせずじまいだ。
 「フリードリッヒ2世」は国擬人化コメディ漫画に登場して以来興味があるので、これなら読めるかしらと購入した。どうして読んでいないの。
 
 以上が本棚から続々と出てきた積読本たちだ。どうも家族には父のストーカーと言われています成人女性です。
 父は人やものを紹介するのがとてもうまいのだ。だからついつい本屋さんで見つけると「あらお父さんが」と手を取ってしまう。で、買って満足して終わってしまう。今は半藤一利さんの「幕末史」「昭和史」がとても読みたいんだけれど、その前に同氏の「日本のいちばん長い日」(未読)を読むべきじゃなかろうか。
 
 追記.先週父に会った時には「重力の本」を読んでいると言われた。…重力…?父に追いつくには相当な時間がかかりそうだ。