ひょっとしたら、ひょっとする

にわかおたくの戯言です

高校野球と私、そして憧れの君

夏の全国高校野球選手権大会がはじまり、いよいよ明日には決勝戦が控えている。
優勝候補筆頭の強豪校に、秋田の公立校が挑む。 この構図だけでもワクワクが止まらない。
仕事もあり、毎試合すべてを見ることは出来ないが、速報やTwitterを通してほぼほぼ網羅し、一日の最後には熱闘甲子園を見て涙する。そんな夏を過ごしている。
二次元や歴史上の人物にキャーキャーするオタクが、一年の中でほぼほぼ唯一三次元にどっぷりする季節だ。

以前はここまでハマるとは思わなかった。 プロ野球は父や長弟が好きということもあり、阪神タイガースをテレビ中継で応援するほど。 鳥谷敬選手の端正なお顔が好き♡くらいのレベルである。

加えて、高校野球がテレビで放送される時間がよろしくなかった。
土曜日は夕方六時の「メジャー」、日曜日は毎朝八時半の「おジャ魔女どれみ」が高校野球の関係で放送されない。
解せぬ! 当時幼稚園児、小学生であった私は新聞の番組表を見るたびに憤慨していた。
これ今の子も同じように思ってくれるのではないかと思う。 大好きなプリキュアが放送されない、とても辛いと思う。

そんな私が高校野球にハマったのは、中学三年生の夏、大阪桐蔭が優勝した年だ。
阪神に在籍する藤浪投手と、西武に在籍する森捕手がバッテリーとして活躍する姿にテレビの前でワクワクしながら見ていた。
(ちなみに今年、たまたま森選手の出る試合を観戦した。小柄ながら力強くスイングする姿は敵チームながら惚れ惚れした)

当時、私は「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ/講談社)にハマっていた。
受験生の夏休み、勉強しろよという話だがハマっていた。
公立校に新たに出来た野球部。そこに集まった、全員一年生の球児たちが甲子園を目指すという話だ。
試合内容ももちろんだが、心理描写が丁寧に描かれていて、野球のルールがしっかり分かっていなくても楽しめる。

主人公たち、西浦高校の面々も心優しくて素敵な子たちばかりだが、それ以上に私が大好きなのが、強豪校、桐青高校野球部だ。
主人公たちは県予選一試合目、いきなりこの甲子園出場経験もある桐青と試合をすることになる。
コミックス五巻から八巻まで描かれた桐青編は涙無しには読めないのでぜひ読んでいただきたい。

おお振りにここまでハマったのには桐青高校の島崎慎吾の存在がある。
三年生、背番号4番、セカンド、打順は3番。
金髪に近い茶髪で、タレ目が特徴的だ。
きっとイケメンキャラ枠だ。勝手ながら、おお振り内に出てくるイケメンキャラはタレ目率が高い…。そういえばとふと思い返した。

島崎慎吾は少し斜に構えていて飄々としている風だ。なんでもそつなくこなしそうで、きっと勉強や女性に対する姿勢もスマートなのであろう。
(ここまで来ると妄想も甚だしいが)
でも内心はやはり熱い思いを秘めていると思うのだ。強豪校のクリーンナップを打つということはプレッシャーもすごいであろう。
当時中学生で多感だった私はこの島崎慎吾に夢を抱き続けた。ぶっちゃけふとした時におお振りを手に取るとやっぱり惚れ惚れする。
アニメも後から追い掛ける形となったが、日野聡さんのお声がまたいい。 こちらもよろしければ見ていただきたい。

憧れだった年上の先輩キャラクターが今では年下。現実の高校野球も現役の子たちは私よりも年下の子たちが活躍している。
キラキラ輝いて、笑顔で甲子園の芝生を駆け巡る姿に憧れを抱く。